HDMIの解析 物理層

数年前からHDMI関連の入出力装置を作りたくても
何もできなかったのですが、FPGAの使い方を覚えてきたので
少しずつ調べたことやわかったことをまとめていこうかと思います

HDMI

HDMIはHigh-Definition Multimedia Interfaceの略称です
HDMIは映像転送に限らず音声や機器間の連携、Ethernetなども統合されている通信規格です
主に民生用の機器に使われている規格で最近の家電はHDMIが絶対ついているぐらいに普及しています

HDMIはオープンな規格ではなくHDMIの管理団体に$5,000ないしは$10,000の年間ライセンス料を払うことで仕様書等を入手し販売できます
販売にあたり認定機関があるのでそこでテストにクリアしないとダメですが…
とりあえずお金がかかるということです

そこで既に明らかになっている部分や実際の挙動から
HDMIについて調査していきます

HDMI-NAVI.comのwebサイトは情報が体系的にまとまっているので概要を知るにはとても便利です
また、HDMIのv1.4の規格書は公開されているのでそれも参考にしています

物理層

まずは物理的な部分について

コネクタの形状

タイプA,B,C,D,Eの5種類あります
タイプAは標準的なコネクタです
HDMIといったらこの形状な感じです
タイプBは昔も今もほぼ使われていないタイプAを横長にした感じのものです
タイプCはminiHDMIと呼ばれていたりする少し小さいタイプ
タイプDはmicroHDMIと呼ばれていたりするAndroidスマートフォンなどに使われているタイプ
タイプEは車載用でラッチ付きのしっかり固定できるもの

家にあった代表的なコネクタたち
コネクタ

ピンアサイン

HDMIのピンは19ピンあります
(タイプBだけ29ピンですが)
これ以降はタイプAについてのみ記述します

ピン 割り当て信号
1 TMDS Data2+
2 TMDS Data2 Sheild
3 TMDS Data2-
4 TMDS Data1+
5 TMDS Data1 Sheild
6 TMDS Data1-
7 TMDS Data0+
8 TMDS Data0 Sheild
9 TMDS Data0-
10 TMDS Clock+
11 TMDS Clock Sheild
12 TMDS Clock-
13 CEC
14 Utility
15 SCL
16 SDA
17 DDC/CEC Ground
18 +5V Power
19 Hot Plug Detect

TMDS : 映像伝送用のチャンネル3つとクロック
CEC : テレビやレコーダー間で制御信号をやり取りし電源オン・オフなどを実現する機能
Utility : Hot Plug Detectと一緒に使用されHDMI上でEthernet通信を実現する他、オーディオを逆にリターンさせるのに使用されます
SDA,SCL : DDC通信用I2C(次回以降解説予定)
+5V Power : DDC通信用の電源
Hot Plug Detect : ケーブル接続検知用

映像伝送にはTMDS
(Transition Minimized Differential Signaling,
遷移数最少差動信号伝送方式)と呼ばれる規格が使用されており
RGBそれぞれ1チャンネルと同期用のクロックチャンネルの
計4チャンネルで転送されます
HDMIだけでなくDVIにも使用されています

次回は映像についてかな

参考

“HDMI-NAVI.com”,http://www.hdmi-navi.com
HDMI Licensing, LLC.(2007)「High-Definition Multimedia Interface Specification Version 1.4」

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