HDMIの解析 映像信号

映像を扱う信号は昔から存在します
昔の表示機器はもっぱらブラウン管の電子ビームによる描画でした
その流れを汲みデジタルになっても転送の方法が踏襲されている規格が多い

アナログ

ブラウン管の表示の仕組みは電子銃から電子ビームを発射し、電界により偏向され映像が描画される
そのため映像の転送はこのように左から右、さらに上から下と表示されている
(大雑把なイメージとして黒が描画、赤が次の描画位置に戻す帰線である)
ラスタースキャン

このような帰線も含めた信号が必要となるので映像だけの領域の他に、ブランキング期間や描画開始位置などの同期信号が必要となる

デジタル

そのよう流れを踏襲した結果HDMIやDVIなども同じ構造で転送している
(DisplayPortはパケット化して転送してるので無駄な部分がなく効率は良さげ)

HDMIにおける描画はこの様になっているがDVIもほぼ同じである

HDMI フレーム
HDMIの場合、映像だけでなく音声やその他の情報も送る必要が出てくるのでブランキング期間の間に挿入されているがDVIの場合はコントロール期間やデータアイランド期間の区別がなく特に情報がない

信号を送信する際に0や1が連続するビット列の場合安定した通信ができなくなるので、10ビットに拡張してランダムなビットパターンになるように変換している
それぞれの期間のエンコーディングは以下の通りである

期間 変換前のビット数 エンコーディング
アクティブ映像期間 8ビット Video Data Coding
データアイランド期間 4ビット TERC4 Coding
コントロール期間 2ビット Control Period Coding

ケーブル上の伝送速度はピクセルクロックとTMDSクロックの2種類存在する
ピクセルクロックは8ビットとしてデータを転送する際に使用するもので、TMDSクロックはケーブル上をシリアルで転送する際に使用する
TMDSクロックはピクセルクロックの10倍である

リフレッシュレート60Hzのとき主な解像度のピクセルクロックとTMDSクロックは以下の通り

解像度 ピクセルクロック[MHz] TMDSクロック[MHz]
480p 25.175 251.750
720p 74.250 742.500
1080p 148.5 1485.0

期間

水平同期信号(HSYNC)及び垂直同期信号(VSYNC)はコントロール期間及びデータアイランド期間のTMDS ch0に含まれている

コントロール期間

ここではHSYNCやVSYNC、プリアンブルを扱う
プリアンブルは他の期間の先頭に挿入され、検知するために使用される

TMDS ch ビット 用途
0 0 HSYNC
1 VSYNC
1 0 プリアンブル(CTL0)
1 プリアンブル(CTL1)
2 0 プリアンブル(CTL2)
1 プリアンブル(CTL3)

プリアンブルと次の期間の対応は以下の通りであり8クロック連続する

CTL0 CTL1 CTL2 CTL3 期間
1 0 0 0 アクティブ映像期間
1 0 1 0 データアイランド期間

データアイランド期間

ここではオーディオデータやその他の情報についてをパケットとして扱う
この期間の最初と最後はTMDS ch1とch2に2クロック分ガードバンドが挿入される

パケットは連続して複数個送信でき、1つのパケットに付き32クロック必要とする

アクティブ映像期間

ここでは映像を扱う
この期間の最初のすべてのチャンネルに2クロック分ガードバンドが挿入される
映像の伝送には1つのデータを8ビットとしてTMDS ch0を青、ch1を緑、ch2を赤として転送される

参考

“HDMI-NAVI.com”,http://www.hdmi-navi.com
HDMI Licensing, LLC.(2007)「High-Definition Multimedia Interface Specification Version 1.4」
長野英生(2014)『高速ビデオ・インターフェース HDMI & DisplayPortのすべて』 CQ出版社.
「Video Timings: VGA, SVGA, 720P, 1080P」,[online]https://timetoexplore.net/blog/video-timings-vga-720p-1080p

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